こんにちは、ポンクレーです。
今回はアクセルの踏み方について、僕が全日本カート選手権に参戦していたときに実践していたことを解説します。
レーシングカートを早く走らせるのに大切なアクセルの踏み込みで、「ある意識」を活用することで脱出の速度を高めたり、あるいは高い水準でタイムを安定させたりすることができるようになる方法です。
もし、あなたがこんな悩みをお持ちでしたらきっとお役に立てることでしょう。
- タイムにばらつきがあって安定しない
- コーナー脱出でリアが流れてしまう
- コーナー脱出でフロントが外に逃げてしまう
ぜひ、次回の練習の参考にしてみてください。
それでは解説していきます。
アクセルを10段階に分けて踏む意識
結論から言いますと、僕が意識していたことは「アクセルを段階に分けて踏む」ことです。
おおまかな手順としては
- アクセルの踏み具合を10段階に分ける意識をもつ(感覚値でOK)
- 各コーナーごとに脱出時に踏んでいるアクセル開度を数字で把握する
- 各コーナーごとに適切なアクセル開度で脱出できるよう意識して練習する
ジュニア選手権に出ていたころは大ざっぱに全開、半開の2段階で考えていました。
※アクセルオフを入れると3段階ですが、今回はカウントしません。
しかし、全日本カート選手権クラスともなると、全開と半開だけでは不十分であるという壁にぶち当たりました。
パワー溢れるエンジンの加速力をコントロールするには全開と半開だけでは無理でした。
そこで僕はアクセルの踏み具合をざっくり10段階に分けて意識することにしました。
きっちり10分の1ずつである必要はありません。
あくまで自分の感覚値でOKです。
そして、コーナーごとに自分がどれくらいの踏み具合で脱出しているかを数字で把握することにしました。
コーナーの大きさによってアクセルの踏み具合を適切に変えることで、タイヤのグリップやエンジンパワーのバランスを最大効率で使うことができるようになります。
例えば高速コーナーは7〜8、中速コーナーは5〜6、ヘアピンや小さなコーナーは3〜4などのようなイメージです。
そして、脱出時のアクセル開度から徐々に全開へとつなげていきます。
例えば、5で脱出したらマシンが滑らないように気を付けながら6・7・8・9・10(全開)、といった具合です。
これを行うことによって僕はコーナー脱出での軽微なミスを減らすことに成功し、高い水準でタイムを安定させることができるようになりました。
恥ずかしながら一発タイムは出せない僕でしたが、安定性には定評があり調子が良い時は誤差0.1秒以内でラップを重ねることができていたので、そういう面からも有効な方法だといえるでしょう。
アクセルを10段階に分けて踏むメリット
僕が認識しているメリットは以下の3つです。
- 常に同じぐらいの水準でコーナー脱出が出来るようになった
- タイムが安定するようになった
- セッティング変更の良し悪しがタイムで測れるようになった
それぞれ簡単に解説します。
常に同じ水準でコーナー脱出が出来るようになった
まず、コーナー脱出時にリアが流れる、フロントが外に逃げる、といった症状は、アクセルのわずかな踏みすぎが原因である場合が多いです。
コーナリング時は進行方向に進む力と、外側に膨らもうとする遠心力が絶妙なバランスで均衡を保っています。特にコーナー脱出時はそのギリギリのバランスを保ちかつ滑らせない必要があります。
しかし、そこにタイヤグリップの限界を超えるアクセルオンをほんの少し加えることでリアが滑ってしまいます。
そして滑ったリアを抑えるためにカウンターステアを入れ、その後崩れたマシンバランスを取り戻すためにもう一度ステアを切り込む必要がでます。
そうすることでフロントタイヤの操作がマシンの前に進もうとする力を妨げてしまい、結果としてプッシングアンダーで外に出ていってしまう、というケースが大半かと想定されます。
タイムが安定するようになった
これについてはむつかしい理屈は特にありません。踏みしろを数字で把握することによって、常に一定のアクセル開度が意識され、結果として脱出時のミスが減ってタイムが安定するという仕組みになります。
セッティング変更の良し悪しがタイムで測れるようになった
3つめのマシンセッティングの良し悪しが分かりやすくなる、というのは副次的効果です。
一定のペースで走れていると、マシンの変更がタイムに分かりやすく反映されます。
もし区間タイムを計っているなら、その差はもっと浮き彫りになるかと思います。
むしろ、一定のペースで走れていない状態でマシンセッティングを変更は個人的にはナンセンスです。
ドライバーの振れ幅が大きい場合、微細なセット変更が良いのか悪いのか測ることができません。
メカニックの方はドライバーのフィーリングやコメントもあまりアテにしないほうが良いでしょう。
タイムが安定して走れている状態で「あと0.1秒を削りたい」と思った時にセットを少し調整してみるというのが正しいアプローチです。
タイムが出ていないとセッティングでどうにかできるのでは?と思ってしまいますが、大体はどうにもならないです。その瞬間で速くても、次のセッションで遅くなる可能性もあるでしょう。
ただし、そもそものセットが大きく外れていた場合はこの限りではありません。
まずはベースとなるセッティングを見つけることを最優先事項としてください。
(大体の原因はシート位置がずれてたり、フレームのどこかにヒビ、車高やアライメントが狂ってる、ブレーキパッドがディスクに当たってる、あたりかと思います。)
分けて踏むことが苦手な人の対処法
10段階の踏み分けを意識した。
コーナー脱出時のアクセルの踏み具合も認識した。
それでも安定しないぞポンクレー、コーナー脱出のアクセルの踏み具合を一定にできないぞポンクレー、という方もおられるかと思います。
安心してください。
ちゃんと救いはあります。
もう振り切ってアクセルを全開または半開で立ち上がりましょう。
そしてブレーキを軽く当てることで、滑らないギリギリの立ち上がり速度を調整してください。
アクセルの微調整が苦手でも、ブレーキは皆さん総じてコーナーごとに踏む強さを使い分けてます。
昔コーチングをさせていただいたおじさまにも、むしろそちらに適正がある方がおられました。
実際、僕も10段階で踏み分けながら、5.5がほしい、7.5が欲しい、みたいな時にブレーキを少し当てながらコーナーを立ち上がる、ということをしていました。
そういう意味では実質20段階で踏み分けていた、ともいえます。
まとめ
今回の内容をおさらいします。
- アクセルの踏み具合を10段階に分ける意識をもつ(感覚値でOK)
- 各コーナーごとに脱出時に踏んでいるアクセル開度を数字で把握する
- 各コーナーごとに適切なアクセル開度で脱出できるよう意識して練習する
踏みわけが上手くいかない、アクセルでの調整は合わないという方の対処法
- コーナー脱出時にアクセルを全開または半開にする
- 滑らないギリギリの速度をブレーキで調整する
今回はドライビングテクニックのひとつとして、アクセルを段階に分けて踏むという方法を解説してきました。
ぜひ、あなたのタイムが速くなる、あるいは安定することを願っています。
また引き続きこういった僕の過去の経験談をまとめていきたいと思います。
ぜひあなたの参考になりましたら幸いです。
それでは良きレースライフを!!
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