ドライビングスタイルは2タイプ、自分にあったタイプを見つけよう

走り方

こんにちは、ポンクレーです。
今回は、2つのドライビングスタイルについて書いていきたいと思います。

2つのドライビングスタイルと聞くと「グリップとドリフトでしょ?いやいや知ってるよ」と思う方もいるかもしれません。

たしかにそれもドライビングスタイルのタイプですが、そういった外部的な内容ではありません。
身体の使い方の話であったり、意識の面であったり、もう少し内部的なお話をしていきます。

このコラムを読むことによって、自分に合ったタイプが見つかり、意識を変えた練習をすることによって、タイムが上がり、身体も疲れず、そして念願の優勝からシーズンチャンピオンになれる可能性がある内容です。

ぜひ楽しみにしていてください。

1.こんな悩み、ありませんか?

「必死に練習しているのに、なかなかタイムが縮まらない」
「なんかイマイチピンとこない、いつまでも自分らしい“走り”が見えてこない」
「同じマシンなのに、なぜあの人は速いのか…才能の差なのか?」

カートを始めてしばらく経つと、誰もが一度はこういった壁にぶつかりますよね。 一生懸命やっているのに、結果が出ない。上達の手応えがない。焦りと迷いが積み重なる。
でも、その“伸び悩み”の原因、もしかするとあなたが意識しているドライビングスタイルそのものが、ご自身の身体に合っていないだけかもしれません。

2. 僕も昔は迷っていました

実は、全日本カート選手権で優勝するまでの道のりは決して順風満帆ではありませんでした。
僕自身の悩みとしては、個人で走るとトップに近いタイムが出せるにも関わらず、レースになると集団戦に弱く、途中リタイアやゴールしてもイマイチな順位と不振な状況が続きました。

「なぜ自分は本番になると速く走れないのか?」
「このままで本当に勝てるのか?」

そんな焦りや不安と向き合いながらも、自分の走り方を模索し続けた結果、ある時「自分に合ったドライビングスタイル」が存在することに気づきました。
その当時は10代だったので言語化できませんでしたが、今の経験とその時の内容を考えることで、ようやく今そのメカニズムを言葉で表現できるようになりました。

だからこそ、今悩んでいるあなたにも、自分に合った走り方を見つけてほしいと思っています。

3.パワー型とフロー型、2つのドライビングスタイル

ドライビングには大きく分けて、“パワー型”と“フロー型”という2つのスタイルがあると考えています。この違いを理解することで、今の自分に足りないものや、逆にやりすぎていることが見えてきます。

注:極限まで集中力が高まった「フロー状態」とはまた別です。

● パワー型:メリハリこそ鉄の掟、ガンと止めてグワッと曲がる

  • ブレーキは気持ち奥目、ガンと踏んでタイヤがギュギュッ、グイっとコーナー進入
  • 早めにマシンを前に向ける、立ち上がりでもグンとアクセルを踏んで力強く加速
  • 操作はやや直線的。強めの入力でマシンを“ねじ伏せる”感覚
  • 攻めの姿勢が強く、メリハリのある走りを好む
  • 多少のミスも強引にリカバリーできる腕力や反射神経を持っていることが多い

このタイプは、フィジカルや反射の鋭さを活かしてガンガン攻めることが得意です。逆に、スムーズさを意識しすぎるとリズムを崩しやすい傾向もあります。しかし、持ち前のフィジカルで集団戦が大得意、なのにトップに立ってても攻め過ぎて思わぬミスを招く傾向も。

反面調整が苦手なので、変にノーミスを意識するとタイムの落差が大きい不器用さもあり。

● フロー型:パッと見遅いのにタイムは速い、無駄を削いだ精密機械

  • コーナー進入から脱出までの流れなんて序の口、コース一周全てが流れ
  • 操作は滑らかで、無駄な荷重移動やタイヤの高負荷を避ける
  • コーナーでの減速も加速も超スムーズ、マシンの動きと一体になる感覚を重視
  • 自分のなかのリズム優先、結果として安定して速くトップに出ると負けない
  • マシンの挙動が激しくなく安定している、セット出しにも大きく貢献

このタイプは、繊細な操作とリズム感に優れており、ロスの少ない理想的なラインを自然に選ぶことができます。しかし、攻めきれない、“間”が足りないと感じる瞬間も出やすく、もう一段階の速さを出すには工夫が必要です。

リズム感重視なので慌ただしい集団戦は弱い傾向がありますが、ポジションが下がっても中盤で前に上がれるポテンシャルがあり、後方追い上げは独壇場。

丁寧にスムーズに走らせることはもちろん前提の話としてですが、大切なのは「どちらのスタイルが正解か」ではなく、自分の感覚に合ったスタイル・イメージを知ることです。
そしてそのスタイルをベースにしつつ、必要な場面ではもう一方の要素を“取り入れる”柔軟さも大切です。

4.チェックポイント:あなたはどっちタイプ?

ここまで読んで、「自分はどっちのスタイルなんだろう?」と気になってきた方もいるかもしれません。
以下の質問を通して、自分の傾向をざっくりと掴んでみてください。

✅ 質問1:ブレーキをどうやって踏むのが好き?

  • □ ドンッと力強く踏み込んで、リアタイヤがキュキュッと鳴るブレーキ
    パワー型の傾向あり
  • □ フワっと踏んでクリップまで丁寧に引きずりながらスピードを残すブレーキ
    フロー型の傾向あり

✅ 質問2:ステアリングをどうやって切りたい?

  • □ 暴れるマシンを押さえつけて身体全体で頑張る感じ
    パワー型の傾向あり
  • □ マシンの挙動が激しいのはイヤ、暴れない必要最低限だけ切る
    フロー型の傾向あり

✅ 質問3:走行中、上半身はどうなってる?

  • □ 顔がハンドルに近づいてる、猫背になっている、上半身よく動く
    パワー型の傾向あり
  • □ シートに身体を預けきってる、外から見ると身体が動かずラジコンみたい
    フロー型の傾向あり

✅ 質問4:力抜いて走るとタイムはどうなる?

  • □ ガクッと下がるほどじゃないが、安定させづらくタイムがバラける
    パワー型の傾向あり(大)
  • □ あまり下がらない、それどころか100分の1秒単位でタイムが揃えられそう
    フロー型の傾向あり(大)

もちろん、これらはあくまで傾向です。
パワー型とフロー型は10:0で分かれるものではありませんが、基本的にはどちらかに寄っていると考えられます。そのため、自分が「どちら寄りか」を知るだけでも、意識の持ち方や伸ばすべきポイントが変わってきます。

5. タイプ別アドバイス:こうすれば伸びる!

自分のスタイルを把握できたら、次は「どう伸ばすか」です。
ここではパワー型とフロー型、それぞれの特徴に合った上達のヒントをお伝えします。

▶ パワー型のあなたへ

攻めの走りが得意なパワー型は、速さを出す力はすでに十分に持っています。
ただし、「攻める」ことに意識が寄りすぎて、無駄な動きやタイヤの無理使いが出ているケースが多いです。

  • 天性の感覚を持っていることが多く、基本は細かく考えないほうが吉
  • 一方で上半身はあまり動かさないほうが速い、姿勢の乱れはタイムの乱れ
  • ミスるともったいないので100%で走らないように、99%で走ること

▶ フロー型のあなたへ:

スムーズなライン取りとリズムの良さが持ち味のフロー型は、安定したペースを作るのが上手いです。ですが、序盤中盤の集団戦のなかではあなたの眠れる獅子を起こす必要があります。

  • 安定したペースは大きな強み、ラストスパートで0.3秒上げる練習をすると吉
  • ミスの少なさ=安定だけじゃない、メリハリをつける訓練を
  • タイヤの美味しいところは残さずちゃんとレース中に使い切って

6. まとめ:大事なのは“自分に合った”走りを知ること

速くなるために必要なのは、誰かのスタイルを完コピすることでも、セッティングでどうにしようとすることでもありません。

「自分の身体に合った走りはなにか?」
「どんな感覚で走っているときにタイムが出るのか?」

この“自分のスタイル”を知り、活かしながら磨いていくことが、成長への最短ルートです。

速い人たちは皆、自分の走りを無意識に理解しています。(というよりたまたま適合した、というほうが近いですが)

子供が速くなりやすい理由も練習量以外にあって、速く走れる方法を無意識で探して実践してるんですよね。そのため、子供であるほど自身に合った走り方を見つけやすいです。

大人は価値観や好みが邪魔をしてしまって、無意識で速く走れるようになるには多大な時間と経験が必要です。であればいっそのことメカニズムを把握して意識的に取り組んだほうが速いかもしれません。
そして、自分に合った走り方を意識的に身につけていきましょう。

タイムに伸び悩んでいるなら、まずは「自分の走り」を見直してみてください。
そして、パワー型でも、フロー型でも、あなたらしい速さの形を探していきましょう。

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